女バス 第一便 日本最南端のバス停を目指して

その9 ついに到達!日本最南端のバス停、孤高の「豊原」

 大原港から豊原までの道は、さきほどとはうって変わって少し広めの一本道路に変貌。途中工事をしていたり、トラックが通ったりとちょっと人の匂いが感じられる。と、運転手さんから「降りてくださいー」の指示が。えっ、ここ住宅街じゃない? っていうかなんもないけど、なに? 故障?
「終点だからねぇ。降りてくださいねぇ」
 えー。終点ってここ~。なんか、バスターミナルっぽくなっているのかと思いきや。普通の住宅街というか集落の、他人の家の前。ここが日本最南端なの?自販機ひとつないんだけど…。
 茫然としている私をおいて、扉は閉まりバスはさらに南へ走りだす。え、どこ行くのさ、その先には何があるの~~~。
日本最南端のバス停豊原。そこは集落の家の前にあった。旅の終点ってこんなもんかもしれないな。

最南端のバス停。孤高

 ちなみに、この先には椎名誠の小説「ぱいかじ南海作戦」の舞台にもなった南風見田(はいみだ)の浜があるが、私の中ではこの近くにバス停があり、そこから歩いて浜まで出る。というところまでがこの旅のスケジュール。でも、どうも歩いていけるような距離ではなさそう。ちょっと先にある売店も閉まっているので水さえ飲めない始末。仕方がないので、引き返すために時刻表を見てみると…。ガ~ン、次のバスがない…。そうか、だからみんな乗らなかったのね、あのバスに。
 とりあえず、バスの車窓から見た限りでは、ここから歩いて大原港まで引き返すのはたぶん無理。それこそ、イリオモテヤマネコに襲われて野垂れ死に…。というのは大げさだが、行き倒れそうな距離ではある。でもでも、さっきのバス戻って来るよなー、とのんきにバス停で待ってみることに。で、30分後…
「やったー、来た~。のせて~。助けて~~~!!」
 と、手を振ってバスをお出迎えするも、運転手さんは大きく手をあげて看板を指差す。回送車。わかってるよー! だから助けろって、私を。
 去っていくバスの後姿を見ながら、後ろ姿も素敵…。と心の中でつぶやいた。

その10へ続く