女バス 第一便 日本最南端のバス停を目指して

その6 日本最南端の温泉で、しばしのやすらぎ

ジャングルが見渡せるパイヌマヤリゾート

でも冷静に考えてみると、今日は夕方までバスに乗って最終の船で石垣に戻る予定。宿泊の荷物も全て石垣の宿に預けてきたので、私の手元にはカメラとメモ帳と、いくばくかの現金(一番弱いお札3枚くらい)&カードのみ。だけど船…、そう船に乗らねば帰れないのよ!! もう無理だろう、私。この状態でバスには乗れるけど、船は無理、カンベンしてください! 

現実問題として、どうしようかと考えていたところ、かなり怪しい私の姿を見つけて、ホテルのフロントの方が声をかけてきた。まぁ、そうだろうね…。あぁ、この安住の地も追い出されるのか…、と思いきや、
「どうしましたか? お気分がお悪いのですか?」
と優しいひと言。
「船に酔ったみたいで、すいませんすぐ移動しますので」
「大丈夫ですよ。もしかして、上原からですか?」
そうです、上原からなの! なぜそれをご存じで??? ホテルの人の言うことには、もう今日は上原からの船は出ないのだと。なんとなくホッ…。
「大変でしたね。何か上原に用事があったんですか? 地元の人間でも覚悟して乗りますからね、上原の便は」
 …そうなんだ。思ってたより無謀なことしちゃったなぁ。
「あの、部屋あいてますか? そしてカード使えますか?」
 かくして、私は次のバスが来るまでこのホテルのベッドで眠って復活を遂げたのである。

ジャングルが目前に迫る

日本最南端の天然温泉

でも、こうして見てみると部屋の窓からはジャングルが眺められてとても静か。ホテルのウッドデッキにでると鳥の鳴き声が聞こえて、小さな川も流れている。西表の自然を満喫するには最高。離島といえば民宿というイメージもあるけれど、現金の持ち合わせがない私には、今回民宿に泊まることは不可能。そんな事情をさておいても、大人の女子ならばこんな素敵なホテルで1泊も悪くないのではないでしょうか。「バスで来るリゾート」、いいよねー。

西表製の麺がおいしい沖縄そば。救助系の味

その7へ続く